大阪で粉ものを食べるならいか焼きをいただかなくては
大阪は粉もの文化が発展した町で、お好み焼きにネギ焼き、それにたこ焼きなど、メジャーな粉ものもあり、粉ものの宝庫です。
大阪にはたくさんの名物があり、中でもやっぱりジャンク的にいただける食べ物がおいしいのですが、その中にいか焼きというものがあるのです。
いか焼きというと、東京の場合、いかの内臓を取って胴体と足をこんがり丸焼きにして甘辛くお醤油をかけていただくというあのいか焼きを連想します。
しかし大阪のいか焼きは粉もののいか焼きです。
大阪のいか焼きは2種類、どっちもおいしくいただける
大阪のいか焼きは、小麦粉の生地に細切りのいかを入れて平たくつぶして焼いて、それを2つにおり、ソースをたっぷりかけていただく、お好みと同じようなスタイルになります。
東京でいただくいか焼きと同じスタイルもあり、大阪では2種類のいか焼きがあるということです。
ただし、東京でもいただけるいか焼きは、いかの姿焼きとされており、大阪の粉ものいか焼きは、大阪いか焼きなどとして売られていることが多いといわれています。
いか焼きのいいところはいかの姿焼きとは違い、非常にリーズナブルという点です。
なんと1枚、200円から250円という安さで販売されているのですから、これはもう食べてみるしかない!ビールとよく合う一品といわれています。
下町で生まれた大阪いか焼き
昔からこうした安くておいしい粉もののいか焼きが食べられてきた大阪ですが、大阪というのは実にうまく食材を無駄なく利用するという文化が根付いているのです。
こなものだってお金も物もない戦後からずっとある食べ物といわれていますし、いか焼きに関しても下町で生まれた庶民の工夫の味といわれています。
昭和25年に創業した桃谷いかやき屋桃谷本店、この創業者は上下両面を高温で一気に焼きあげる機械を考案し、注文を受けてなんと5分でいか焼きを焼き上げたのです。
生地は平たくとももちもち、いかがぶりっとおいしくてたくさん入っているいか焼きこそ元祖といわれています。
現在も親しまれているこのいか焼きの桃谷は、大阪市港区の海遊館の中にも出店しているので、気軽に食べられるようになっているのです。
その後、昭和32年には大阪梅田の阪神百貨店に登場し、粉ものいか焼きが一気に大阪一円に広まったとされています。
粉ものは安くておいしくて腹持ちもいい、お金がなくてもさっと買っておなか一杯食べられる、ものが少ない時代に粉ものを発展させた大阪は、実にバイタリティ溢れる能力を持って、安く手美味しいものを世に出してくれているのです。